通訳とは
通訳とは外国語を翻訳し、コミュニケーションの橋渡しをするお仕事です。大きく分けて2種類あり、話を追いかけるようにすぐに訳していく「同時通訳」と、ある程度の内容がまとまってから訳する「逐次通訳」があります。
通訳になるには?
通訳になるために特に必要な資格はありません。能力さえあれば、誰でもなることができます。免許などもありません。
なお「通訳案内士」という国家資格がありますが、これは通訳兼ツアーガイドをするための資格です。
一般的な近道はスクール
商社など外国語をよく使う会社に勤めていれば、そのまま仕事で通訳と同様の仕事をすることもあるでしょう。ですが一般的なのは、専門の養成スクールに通うことです。スクールに通うメリットとして、以下のことが挙げられます。
- 逐次通訳・同時通訳を実践的に学べる……実際の仕事の現場を想定した、実践的な訓練が受けられます。これは独学ではできないことであり、専門スクールに通う大きなメリットです。
- 講師はプロの通訳……多くのスクールでは講師としてプロの通訳者を起用しており、専門的な知識や技術を学ぶことができます。
- 人脈ができる……同期と、あるいはプロの講師とのつながりは、通訳としての仕事を本格的に始めてから大きなメリットになります。また、スクールそのものが通訳の仕事を手配してくれることもあります。
スクールの入学条件・プロデビューまでの期間
なお、多くのスクールには入学試験があります。一般的には、TOEICだと800点、英検だと準1級程度が必要。
入学後の講座はいくつかのコースに別れており、自分に合わせたレベルを受講します。必要な講座を履修し終わり、プロデビューまでに2年から3年程度かかることが多いようです。
卒業後には通訳エージェントに登録し、そこを通して仕事を受けることができます。エージェントが経営しているスクールだったり、提携しているスクールだったりすると確実です。卒業生に優先的に仕事を回してくれることもあります。ここもスクールの大きなメリットですね。
一応スクールの問題点について触れると、通訳の専門スクールの多くは東京や大阪のような大都市に集中しています。講師の人材を揃える都合や、受講生の数なども考えると、これはある程度仕方ないでしょう。受講生は、住んでいる場所によっては通学にかなり時間や費用がかかる可能性があります。
ですが、最近は近年はオンラインで授業を受けられるスクールも増えています。特にここ2年ほどでその傾向は加速しているようです。
独学で通訳デビューも可能
スクールを利用しない人をせず、いきなり通訳の仕事を始める人もいます。この場合は、長年仕事で英語を使っていたと場合が多いです。その際の仕事を実績としてアピールして仕事を取っていくことになります。スクールに通わないとしても、まったくの素人がいきなり仕事をさせてもらうのは難しいようですね。
通訳の仕事を取るには
スクールを卒業し、その後フリーランスの通訳者として通訳エージェントに登録するのが一般的です。通訳を依頼する企業としても個人にいきなり頼むよりもエージェントに依頼することが多いようです。この点からも、エージェントと提携しているスクールで学んでいると強いですね。デビューしたばかりは仕事がなかなか来ないことが多いですが、スクール卒業生の場合は、在学時の成績を実績の一種として考慮してもらえる可能性があります。
フリーランス以外だと、特定の会社に通訳業務担当で働くという形もあります。いわゆるインハウス通訳といわれるものです。一定の会社の業務に継続的に携わるため、その分野の知識に詳しくなれるのも一種の強みです。ただしその会社の規定(副業禁止など)によって、他の会社の通訳業務を自由に受けられなくなる可能性があります。
これからの通訳業務
ここまで伝統的な通訳業界を解説してきましたが、通訳をとりまく環境も時代とともに変化しています。
近年注目されているのがリモート通訳です。これは会議などがリモート開催される場合に必要となるもので、まだ詳しい人が少ない分野なので、新人にはチャンスといえます。普段から機材の扱いなどについても勉強しておくと、いざというとき役に立ちそうです。
コメント